農作物有害鳥獣駆除事業とは

令和6年度決算審査において、「農作物有害鳥獣駆除事業」について質疑しました。
この事業には当初予算として約1,947万円が計上され、決算額は1,799万円となっています。

実績としては、

  • エゾシカ:864頭
  • ヒグマ:268頭
    合計で延べ1,056頭を捕獲。駆除に出動した日数も増加しており、現場対応が強化されたことがうかがえます。

成果として何が問われるのか

重要なのは捕獲数という「活動量」ではなく、実際に農作物被害がどの程度軽減されたかという「成果」です。

  • 被害額や被害面積はどれほど減ったのか?
  • 当初想定と比べて改善は見られたのか?
  • 農家の方々の安心につながっているのか?

これらを検証しなければ、単に「捕獲数が増えた」だけでは十分な成果とは言えません。

広がる鳥獣被害と課題

近年はシカやクマの出没が農村部だけでなく、市街地にも広がる傾向があります。
農作物被害は、農業経営の問題にとどまらず、町全体の安全・安心にも直結しています。

もし捕獲数が増えても被害が横ばい、あるいは依然として高水準で続いているならば、対策の質や方法を見直す必要があります。

今後に必要な取り組み

駆除に加え、次のような多角的な対策も欠かせません。

  • 電気柵や侵入防止ネットの設置
  • ドローンを活用した追い払い
  • 担い手不足を補う人材育成
  • 広域連携による捕獲・管理の強化

今回の決算審査では、「被害軽減に直結しているか」を軸に、今後の政策展開を問いかけました。

まとめ

町の農業を守り、町民の安心につなげるためには、捕獲実績の数字だけではなく「被害の減少」という成果を検証することが不可欠です。
そして、成果を次の施策へとつなげていく不断の見直しと工夫が求められています。