9月11日、第3回第6期芽室町総合計画審査特別委員会が開催され、第6期芽室町総合計画の実施計画案について審査を行いました。
今回は、基本目標1から基本目標3まで、農業・商工業、教育・文化・スポーツ、保健・医療・子育て・福祉など、幅広い分野について審査しました。
各委員からさまざまな質疑がありましたが、今回の審査を通じて特に大きなテーマとして見えてきたのが、「施策の成果を何で測るのか」という点です。
農業の担い手、「確保」のその先をどう見るか
農業分野では、農家戸数の減少や担い手不足が引き続き大きな課題となっています。
これまでの総合計画では、新規就農者数など、「新たな担い手を何人確保したか」という点が成果として重視されてきました。
一方、第5期総合計画を議会として検証した際には、単に新規就農者を確保するだけではなく、
食農教育・農業への関心 → 就農・雇用 → 地域への定着 → 経営安定
までを一連の流れとして捉える必要があるのではないかと提言しています。
そこで私から、第6期では「担い手を確保した人数」だけではなく、その後、地域に定着し、農業経営を継続できているかまで成果として捉えていく必要があるのではないかと質疑しました。
町からは、新規就農者に対する就農後3年間の所得支援などについて説明がありました。
ただ、その支援期間を終えた後にどれだけ地域に定着し、経営を継続できているのかという点については、今回の答弁では十分に確認するところまでは至りませんでした。
担い手不足が深刻になる中、これからは「何人就農したか」だけではなく、「何人が地域に残り、農業を続けられているか」という視点がより重要になると考えています。
各分野で議論になった「成果指標」
今回の審査では、多くの委員から「成果指標」について質疑がありました。
例えば健康づくりでは、これまで健診受診率などが中心的な指標となっていましたが、町からは、第6期では単に「健診を受けたか」だけではなく、メタボリックシンドロームやHbA1cなど、実際の健康状態がどう改善したのかを見る指標へ見直したとの説明がありました。
これは、成果を考える上で重要な考え方だと感じました。
同様の議論は福祉分野でもありました。
新たに整理された「互いに認め合い支え合う地域共生社会の実現」では、「民生委員や地域等からの相談件数」が成果指標の一つとされています。
町からは、単純に相談件数を増やすことが目的ではなく、民生委員や地域住民などから寄せられる「少し気になる」という情報を行政につなぎ、これまで表面化していなかった困りごとを早期に把握していく意味があるとの説明がありました。
一方、委員からは、相談を何件受けたかだけではなく、その相談によって必要な支援につながったのかを見ることが重要ではないかとの指摘もありました。
町からは、現在見直しを進めている個別の地域福祉計画の中で、支援の結果などをどのように成果として捉えるか検討しているとの答弁がありました。
障害者就労も「就職した人数」から「定着」へ
障害者福祉でも同じような議論がありました。
第6期では、一般就労した障害者数が成果指標として設定されています。
質疑では、一般就労した人数だけではなく、その後、仕事を継続できているのか、定着まで確認する必要があるのではないかとの指摘がありました。
町からは、これまで町が支援に関わり一般就労した方について、その後の状況も追っているとの説明がありました。
また、就労が途絶えた場合には再スタートを支援することも必要であり、現在見直しを進めている個別計画の中で、定着状況を数値的な指標とすることも含め検討していく考えが示されました。
この議論は、先ほどの農業の担い手にも通じるものがあります。
「新たに入った人数」を成果とするだけではなく、「その後どうなったのか」まで追いかける。
人口減少が進み、あらゆる分野で担い手不足が課題となる中では、こうした考え方がますます重要になってくると思います。
現状より低い「目標値」も議論に
今回の審査でもう一つ目立ったのが、成果指標の「目標値」の設定です。
農業、観光、学校教育、文化、障害者福祉など、複数の施策について、現在の実績値と比較したときに目標値が低く設定されていることについて質疑がありました。
障害者福祉では、「障害者にとって暮らしやすい町だと思う町民の割合」について、第5期では88%を目標としていたものを、第6期では現在の実績約70%を踏まえて75%としています。
町からは、これまでの実績の推移を踏まえ、現実的な目標として設定したとの説明がありました。
もちろん、実態から大きく離れた目標値を掲げるだけでは意味がありません。
一方で、総合計画は町が「どこを目指すのか」を示す計画でもあります。
現状値や過去の計画から機械的に目標値を引き継ぐのではなく、なぜその数値を目標とするのか、その根拠を明確にすることが重要だと感じます。
人口減少の中で、サービスをどう維持するか
高齢者福祉では、成果指標について、住民意識調査だけではなく、社会参加の状況や必要な介護・生活支援を受けられているかといった客観的な指標も組み合わせるべきではないかとの質疑がありました。
町からは、客観的な数値を成果指標として加えられるか検討する考えが示されました。
一方、第6期の計画案自体が、生産年齢人口が減少する中で、行政や介護事業者だけでは日常生活上の細かな支援を提供することが難しくなっていくという課題を示しています。
これからは「サービスを利用できたか」「満足したか」だけでなく、必要なサービスを地域で提供し続けられるのかという視点も重要になってくると思います。
介護人材だけでなく、農業の担い手、保育士、医療・福祉人材など、人口減少下での「担い手」と「サービス供給力」は、分野を超えた課題です。
重層的支援の「中核」は健康福祉課
地域共生社会については、高齢、障害、生活困窮、子育てなど、複数の課題を抱える世帯を縦割りではなく包括的に支援する「重層的支援」についても議論がありました。
社会福祉協議会には、地域づくりや居場所づくり、地域課題の掘り起こしなど、中核的な役割が期待されています。
ただし、町からは、社会福祉協議会や地域にすべてを任せるということではなく、行政、専門職による支援と地域での支え合いを両輪として進める考えが示されました。
また、個々のケースの主担当は状況によって異なるものの、重層的支援体制全体について中心となって責任を持つのは健康福祉課との答弁もありました。
地域に支え合いを求めるだけではなく、行政がどこで責任を持つのかを明確にしておくことは重要なポイントです。
「何をしたか」から「その結果どうなったか」へ
今回の審査を振り返ると、さまざまな分野で共通する一つの方向性が見えてきます。
健康づくりなら、
健診を受けた → 健康状態が改善したか。
障害者就労なら、
一般就労した → その後定着したか。
地域福祉なら、
相談を受けた → 必要な支援につながったか。
そして農業なら、
新規就農した → 地域に定着し、経営を継続できたか。
行政計画では、「何回実施した」「何人参加した」「何件相談を受けた」といった数字は把握しやすいものです。
しかし、本当に知りたいのは、その事業を実施した結果、町民の暮らしや地域がどう変わったのかです。
第6期芽室町総合計画は、これからの芽室町の方向性を示す最上位の計画です。
だからこそ、「何をしたか」だけではなく、「その結果どうなったのか」を4年後にしっかり検証できる計画になっているか。
今回の審査で各委員から出された意見がどのように計画へ反映されるのか、引き続き確認していきたいと思います。



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