「第4回 第6期芽室町総合計画審査特別委員会」が開催されました。
今回は、第6期芽室町総合計画のうち、
- 基本目標4「自然と共生する災害に強い安全・安心のまちづくり」
- 基本目標5「住民と行政がともに考え未来へつなぐ自治のまちづくり」
について、各施策の方向性や成果指標、今後の事業展開などを審査しました。
総合計画は、これからの芽室町がどのようなまちを目指し、そのためにどのような施策を進めていくのかを示す町の最上位計画です。
今回の審査では、防災、消防・救急、公共交通、ゼロカーボン、上下水道、財政運営、シティプロモーションなど、幅広い分野について質疑が行われました。
個別避難計画、成果をどう測る?
「災害に強いまちづくりの推進」では、災害時に自力で避難することが難しい方の「個別避難計画」が議論となりました。
計画には個別避難計画の作成が盛り込まれている一方、成果指標には設定されていません。
町からは、対象者がおよそ500人いる中で、現在作成されている計画は44件であること、何件を目標とすることが適切なのか判断が難しいことから、成果指標には設定していないとの説明がありました。
委員からは、それでも第6期の4年間でどこまで進めるのか、一定の到達点が必要ではないかとの質疑があり、町は他自治体の状況なども調査し、成果指標として設定することが適切か検討する考えを示しました。
増加する救急需要への対応
消防・救急では、救急出動の増加について質疑がありました。
救急出動は令和3年の763件から令和7年には931件まで増加しており、今後は年間1,000件を超えることも想定されています。
町では救命講習やAEDの普及とともに、救急車の適正利用を進める考えです。
質疑の中では、搬送された方について重症・中等症・軽症などの情報は把握しているものの、現時点では統計的な集計までは行っていないことも示されました。
今後はデータを集計し、救命講習や情報発信などにも活用していく考えが示されました。
ヒグマ対策は農業分野に位置付け
ヒグマ対策については、市街地に出没した場合の庁内体制や住民への周知、避難、交通規制などを含め、総合計画上どのように位置付けるのか質疑がありました。
町からは、緊急銃猟などについて農林部門が中心となって体制を構築しており、生活環境部門とも連携しながら、市街地・農村部を含めて対応することから、総合計画では農業分野に位置付けているとの説明がありました。
ヒグマについては、農作物への有害鳥獣対策という側面だけではなく、市街地出没時には住民の安全に直結する危機管理という側面もあります。
今回の答弁では、町としては農業分野で位置付けながら、関係部署が連携して対応する考えが確認されました。
公共交通は全世代の移動の問題
道路交通環境では、公共交通についても議論がありました。
成果指標には「コミュニティバス1便当たり利用者数」が設定されていますが、利用者数だけで町民の移動環境が改善したかを評価できるのかという質疑がありました。
町からは、現在のコミュニティバスがどの程度利用されているかを示す指標として設定していること、将来的にデジタル技術を活用した需要と供給のマッチングやデマンド交通などを導入した場合には、利便性や満足度などを測ることも考えられるとの説明がありました。
また、公共交通は高齢者だけの問題ではなく、子どもや若者を含めた全世代の移動の問題ではないかとの指摘もあり、町からは計画の表現について検討する考えが示されました。
車両管理センターは前期4年間で検討
老朽化している車両管理センターについても、今後のスケジュールが確認されました。
町では、移転先や必要となる機能、保有車両、除雪作業の動線など、さまざまな条件を整理する必要があるとしています。
第6期前期の4年間では、具体的な整備に入るというより、まず施設のアウトラインを検討することが中心となり、具体的な移転対応については後期計画を想定しているとの説明がありました。
ゼロカーボン、「実施したか」から「どれだけ減ったか」へ
「環境保全と再生可能エネルギーの推進」では、私から成果の検証方法について質問しました。
第6期では2050年ゼロカーボンに向け、公共施設のLED化、家庭や事業者の温室効果ガス削減、再生可能エネルギーの活用、Jクレジットなどを進めます。
一方、総合計画の成果指標は「景観」と「自然環境」に対する町民満足度となっており、温室効果ガスの削減そのものを測る指標は設定されていません。
そこで私は、
「第6期の4年間で脱炭素がどれだけ進んだのかを、どのように検証するのか」
と質問しました。
町からは、温室効果ガス排出量について、区域施策編の令和9年度中間見直しで実態を把握し、その結果を踏まえて2030年に向けた施策を検討していくとの答弁がありました。
さらに、LED化や再生可能エネルギーなどについて、単に事業を「実施したか」だけではなく、
CO₂をどれだけ削減できたのか、財政負担や経済効果も含めて検証し、次の投資判断につなげる必要があるのではないか
と質問しました。
町からは、CO₂削減量を具体的な数値として把握するとともに、電力量がどれだけ削減されたのかなども確認しながら、経済性について考えていくとの答弁がありました。
今回の総合計画審査の中でも、特に確認しておきたかったポイントの一つです。
災害廃棄物対策、計画への記載を再検討
廃棄物対策では、第5期総合計画にあった「災害廃棄物対策」が、第6期案では削除されていることについて質疑がありました。
町は、現在の災害廃棄物処理計画を活用して対応していくことから、新たな記載は必要ないと判断したと説明しました。
一方、近年の災害状況や国の考え方の変化などを踏まえると、現在の災害廃棄物処理計画についても見直しが必要との認識が示されました。
地域防災計画などとの関係も含め、防災担当と協議しながら、総合計画に記載するかどうかを改めて検討するとのことです。
人口減少下での上下水道経営
上下水道については、人口減少による料金収入の減少と、施設の老朽化・更新をどのように両立させるのかが議論となりました。
町は、第6期で、
「機能保全」
「災害への強靱化」
「経営基盤の強化」
の3点を軸として取り組む考えを示しました。
料金収入などについては、経営戦略の中で検討しながら、持続可能な上下水道経営につなげていくとの説明がありました。
財政の「ぎりぎりのライン」はどこか
基本目標5では、今後の財政運営について多くの質疑がありました。
経常収支比率は、
令和5年度 89.7%
令和6年度 89.9%
令和7年度 91.6%
と上昇しています。
町の長期財政見通しでは、何も対策を講じなければ令和15年度に100%を超え、令和19年度には102.4%に達するとの説明がありました。
第6期の成果指標では、
経常収支比率 95%未満
実質公債費比率 17%未満
将来負担比率 100%未満
と設定されています。
質疑では、「現状より悪化しても目標達成になる数値ではないか」という点が問われました。
町からは、これらは余裕を持った目標ではなく、長期的な財政状況を見据えた中での**「ぎりぎりのライン」**として設定しているとの説明がありました。
また、今後は4年間の中期財政計画を策定するとともに、毎年3年間を見通した財政計画を更新し、公表していく考えも示されました。
スクラップ&ビルド、判断基準は?
財政運営について、私からはもう一点質問しました。
第6期では、令和7年度から9年度を事務事業見直しの集中期間として、スクラップ&ビルドによる「選択と集中」を進めることが明記されています。
そこで、
「事業を継続、縮小、統合、廃止するとき、どのような基準で優先順位を判断していくのか」
と質問しました。
町からは、現時点では一律的な基準は持っておらず、まず政策推進課が「役割を終えたであろう事業」を抽出し、その中から縮小などを検討しているとの答弁がありました。
また、その後の質疑では、総合計画に記載されているから必ず事業を実施するということではなく、毎年度の実行計画の中で、先送り・縮小・廃止も含めて判断するとの考えが示されました。
人口減少が進むこれからは、財源だけではなく、職員などの人的資源も限られていきます。
新しい取組を始める一方で、既存事業をどう見直すのか。
その判断をどのような基準で行い、毎年度の予算にどう反映していくのかは、今後も確認していきたいポイントです。
「80%以上」は目標なのか、最低ラインなのか
行政サービスの成果指標についても議論がありました。
現在の町民満足度が80%を大きく上回っているにもかかわらず、第6期の目標値が「80%以上」と設定されていることについて質疑がありました。
町からは、さらに高い数値を目指すというよりも、最低でも8割の町民から満足を得られる水準を維持したいという考えが説明されました。
一方で、成果指標としてこの設定が適切なのか、他の施策との考え方も確認した上で改めて検討するとの答弁がありました。
シティプロモーション、意識から具体的な成果へ
シティプロモーションでは、移住定住、まちなか再生、関係人口・交流人口、ふるさと納税など、多くの取組が位置付けられています。
一方、総合計画の成果指標は「推奨意向」「参加意向」など、町民の意識を測るものが中心となっています。
質疑では、税金を投入して事業を進める以上、移住者数など具体的な成果も示す必要があるのではないかとの意見が出されました。
町からは、移住者数などは各事務事業の評価で成果指標を設定していること、さらに、ふるさと納税額、SNSフォロワー数、ホームページアクセス数なども成果を測る一つの方法になり得るとの説明がありました。
その上で、シティプロモーションの成果指標については改めて庁内で検討する考えが示されました。
国際・地域間交流についても、「交流・連携を知っている町民の割合」だけで、人材育成や経済交流などの成果まで測れるのかという質疑があり、こちらも指標を再検討する考えが示されています。
第6期総合計画、「計画をつくる」から「成果を確認する」へ
今回の審査では、さまざまな施策で「成果指標」が議論になりました。
総合計画には多くの事業や取組が位置付けられていますが、事業を実施することそのものが目的ではありません。
その取組によって何が変わったのか。
ゼロカーボンであれば、CO₂がどれだけ減ったのか。
シティプロモーションであれば、情報発信の先にどのような行動につながったのか。
財政運営であれば、限られた財源や人的資源の中で、既存事業をどのように見直したのか。
こうした「結果」を確認しながら、次の事業や予算につなげていくことが重要になります。
第6期総合計画は策定して終わりではなく、今後、毎年度の実行計画や予算、事務事業評価を通じて具体化されていきます。
今回の審査で示された答弁や検討事項が、最終的な計画や今後の予算・事業にどのように反映されていくのか、引き続き確認していきます。



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