令和7年度決算審査。
商工費では、事業承継やめむろ駅前プラザ、観光政策、新嵐山スカイパークなどについて、各委員からさまざまな質疑が行われました。
その中で私からは、「新嵐山スカイパーク運営支援事業」について質疑しました。
令和7年度の新嵐山スカイパーク運営支援事業には、約1億2,600万円が支出されています。
今後、新嵐山では大規模な再整備も予定されています。
だからこそ今回の決算では、単純に「利用者が増えたか」だけではなく、
これだけの公費を投入した施設として、町民にどのような価値を提供できているのか。そして再整備によって何を変えなければならないのか。
という視点から確認しました。
利用者の約18%が町民。この数字をどう見るか
令和7年度のスキー場利用者は15,456人。
内訳を見ると、
- 芽室町民 2,746人(17.77%)
- 十勝管内 11,878人(76.85%)
- 管外 832人(5.38%)
となっています。
数字だけを見ると、町民の割合は2割弱です。
しかし、十勝管内と芽室町では人口規模が違いますし、令和7年度には他のスキー場の雪不足などにより、大会や検定が芽室に会場を移したケースもありました。
そのため、単純に「町民利用が少ない」と評価できる数字ではありません。
そこで、こうした利用構成を町としてどう評価しているのか、そして町民利用を今後どのように考えていくのかを確認しました。
町からは、全体では町民が約18%である一方、シーズン券購入者に限れば町民が約3割を占めているとの説明がありました。
比較的頻繁に利用する層では町民の割合が高いということです。
また、新嵐山については町外からの誘客だけでなく、町民のスポーツや教育の場としての役割も持っていることから、今後は利用料金の見直しなども含め、町民がより利用しやすい環境を考えていくとの答弁がありました。
新しくするだけでは「再生」にならない
続いて確認したのが、今後予定されている再整備との関係です。
施設を新しくすれば、それだけで新嵐山が「再生」するわけではありません。
新しい施設になっても、現在と同じように多額の維持管理費や運営管理費が必要になるのであれば、将来的な町の負担は残り続けます。
そこで私は、
令和7年度までの運営実績から、現在の新嵐山にはどのような課題があり、再整備によって具体的に何を改善しなければならないと整理しているのか
を質問しました。
町からは、新嵐山について、町民のスポーツや教育の場としての機能を持たせるという基本的な考え方が改めて示されました。
そして再整備については、単に施設を建設するだけではなく、建設後のライフサイクルコストまで考えて基本設計を進めているとの説明がありました。
例えば、施設で使用するエネルギーについても、灯油がよいのか、電気がよいのか、あるいは組み合わせるのか。
初期投資だけではなく、その後の維持管理費まで含めた総体的なコストを比較しながら検討しているとのことでした。
ここは非常に重要だと考えています。
新嵐山の再整備では、
「いくらで建てられるか」だけではなく、「その後、いくらで持ち続けられるか」
まで考えなければなりません。
利用者増だけでは測れない新嵐山の価値
今回の商工費審査では、他の委員からも新嵐山について多くの質疑がありました。
令和7年度のスキー場利用者は前年から大きく増加しました。
その背景について町からは、受託事業者が2年目となったことで、降雪や圧雪などの技術が向上し、ゲレンデコンディションを良好に保てたこと、前年度より早くオープンできたこと、券売窓口などの接客面も利用者から評価されたことなどが説明されました。
つまり、大規模な再整備を行う前の既存施設でも、運営面の改善によって利用を伸ばせることが確認できた年度でもあります。
一方、現在の施設にはハード面の課題もあります。
町からは、食事を提供する機能が不足していること、トイレが離れていること、初心者向けのCコースが利用しにくいことなどが挙げられました。
またソフト面では、スキー場運営に必要となる専門的な資格を持つ人材の確保・育成も課題とされています。
今後の再整備では、こうした「運営改善で解決できる課題」と「施設整備をしなければ解決できない課題」をきちんと分けて考えることも必要だと思います。
町内への経済波及も重要な成果
新嵐山への公費投入を、新嵐山の中だけで完結させないことも重要です。
令和7年度にはICリフト券が導入されました。
この導入によって施設管理委託料が当初契約額から259万6,000円減額され、人件費削減という具体的な効果があったことも審査の中で明らかになりました。
さらに、ICリフト券のデポジットを町内店舗で利用できる仕組みも始まり、31店舗、837枚、58万5,900円の利用実績がありました。
まだ規模としては大きなものではありません。
しかし、新嵐山を訪れた人が、そのまま帰るのではなく、
新嵐山を利用する
→ まちなかへ移動する
→ 飲食や買い物をする
→ 地域にお金が残る
という流れをつくることは、これからの新嵐山を考える上で重要です。
新嵐山だけの利用者数を増やすのではなく、町全体にどれだけ効果を波及させられるか。
ここまでを成果として見ていく必要があります。
「利用者3万人」のその先を見る
審査の中では、今後のスキー場利用者について3万人を目標としていることも説明されました。
現在約1万5,000人ですから、大きな目標です。
ただ、私は「3万人になれば新嵐山の再生が成功」という単純な話ではないと考えています。
町民が利用したくなる施設になったのか。
グリーンシーズンにも利用されるのか。
町内消費につながったのか。
運営収支は改善したのか。
町が負担する維持管理費はどうなったのか。
こうした複数の視点から評価する必要があります。
他の委員からは、将来、想定していた利用者数に届かなかった場合についても質疑がありました。
町からは、実際の利用状況を見ながら現実的な数字を見極める必要があり、状況によっては運用方法を変更することや、利用料金について一定の負担を求めることも考えていくとの答弁がありました。
計画をつくったから、そのまま最後まで進める。
そうではなく、実績を検証しながら必要であれば修正する。
多額の公費を投入する事業だからこそ、この姿勢は重要です。
「建てること」を目的にしない再整備へ
今回、私が新嵐山スカイパーク運営支援事業について質疑したのは、再整備そのものに反対するためではありません。
むしろ、これから大きな投資を行うからこそ、現在の運営から何を学び、再整備によって何を改善するのかを明確にしておく必要があると考えています。
令和7年度は、利用者が大きく増加する一方で、町民利用、運営コスト、地域経済への波及、施設のハード面、人材確保など、さまざまな成果と課題が見えてきた年度でした。
これから問われるのは、
新しい施設をつくれるかではなく、その施設を町民に必要とされる場所として持続的に運営できるか。
そして、
新嵐山への投資が、新嵐山だけでなく芽室町全体にどのような価値を生み出すのか。
ということだと思います。
今後、基本設計、実施設計、施設整備と事業が具体化していきます。
建設費だけではなく、その後の維持管理費、運営収支、町民利用、地域経済への波及なども含めて、「何をもって新嵐山の再生とするのか」という視点を持ちながら、引き続き確認していきたいと思います。



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