8月19日、第8回総務経済常任委員会が開催されました。
今回の調査事項は、
- 令和7年度指定管理者評価結果について(めむろ駅前プラザ)
- 地域集会施設再整備計画の見直しについて
- 公共施設LED化事業の実施方法変更について
の3件です。
いずれも施設管理に関わるテーマですが、議論を進めていくと、単に「施設をどう管理するか」という話だけではなく、町が将来の公共施設をどう考えるのか、また限られた財源の中で契約や事業手法をどう選択するのかという課題が見えてきました。
めむろ駅前プラザの指定管理者評価
最初の調査は、令和7年度の「めむろ駅前プラザ」の指定管理者評価についてです。
令和7年度の総合評価は「B(3.11)」。
サービス提供、施設維持管理、歳入歳出などについて、おおむね適切に管理されているとの評価となりました。
評価委員会からも、
「利便性や安全性など利用者視点に立ったサービスや、適切な施設の維持管理により、安心して利用できる施設となっている」
と評価されています。
一方で、
「施設の稼働率や収入の増加を考えた対策を今後検討してほしい」
という課題も示されています。
委員会では、この評価を今後の施設運営にどのようにつなげていくのかについて質疑がありました。
町からは、安全・安心な利用環境の維持、クーリングシェルターとしての活用、予約システムと窓口受付の併用などを続けながら、利便性向上を図っていくとの説明がありました。
ただ、評価委員会が指摘した「稼働率や収入の向上」については、現時点で具体的な方策が決まっているわけではなく、今後、現場と意見交換しながら検討していくとのことでした。
令和8年度からはこれまでの指定管理とは異なる管理方式となっています。
長年、指定管理者として施設を管理してきた芽室町商工会の取り組みを踏まえつつ、今後は管理方式の変更によって何が変わるのか、利用促進につながるのか、さらに駅前という立地を中心市街地の活性化にどう生かしていくのかを見ていく必要があります。
地域集会施設を「個別施設」だけで考えてよいのか
続いて、地域集会施設再整備計画の見直しについて調査しました。
今回示された素案は、令和9年度から令和16年度までの8年間を計画期間とするものです。
町内には31の地域集会施設があり、そのうち15施設が耐用年数を超過し、10施設が旧耐震基準で建設されています。
老朽化だけでなく、耐震性や近年の暑さへの対応として空調設備の整備なども課題となっています。
また、施設の利用状況にも変化があります。
農村地域では地域内の会議などが主な利用となっている一方、市街地では地域外の団体による利用も多く、施設によっては地域外利用が50%を超えるなど、利用目的が多様化しています。
町も、市街地と農村では施設の使われ方が大きく異なっているとの認識を示しました。
「地域協議が整った施設から」だけで進むのか
今回、特に議論になったのが「地域協議」です。
これまでの計画でも、地域と町との協議が整った施設から再整備を進めるという考え方が取られてきました。
しかし、実際には令和5年度から地域協議を進めてきたものの、町が考える施設規模と地域が求める規模などで折り合いがつかず、協議が完了していない施設があります。
地域の意見を丁寧に聞くことは当然重要です。
一方で、それだけに委ねてしまうと、
「現在の場所に現在と同じような施設を残してほしい」
という要望がそれぞれの地域から出され、結果として再整備そのものが先送りされ続ける可能性があります。
そこで委員会では、地域協議を進める前提として、町自身が地域集会施設の将来像を一定程度示す必要があるのではないかという議論になりました。
個別施設の積み上げではなく「町全体の将来像」を
質疑では、現在ある施設を一つずつどうするかという「個別施設の積み上げ」だけではなく、
町全体として地域集会施設をどのように配置し、それぞれにどのような機能を持たせるのか
という考え方を先に整理する必要があるのではないかと確認しました。
町からは、
- 市街地全体の施設配置を見る
- 各施設に求められる機能を考える
- 全施設を一律に整備するわけではない
- 必要に応じて複合化や機能集約も視野に入れる
- 町として考え方を整理した上で地域協議に入る
という方向性が示されました。
さらに、こうした町全体としての考え方を今回の計画に明記することについても、今後検討するとの答弁がありました。
これは今回の議論の中でも重要な点だったと考えています。
議会から提出した要望書をどう反映するのか
今回示された素案は、議会から「地域集会施設再整備計画の見直しに係る要望書」を提出する前に作成されたものです。
議会からは、
- 地域コミュニティを支える拠点施設として再整備を推進すること
- 施設ごとの将来像を明確にし、地域特性に応じた整備を検討すること
- 地域住民との十分な協議と合意形成を図ること
- 管理運営方法を検証すること
- 利用実態や維持管理費など客観的なデータを分かりやすく公表すること
- 誰もが利用しやすい管理運営体制を構築すること
- 計画策定後も進捗管理・検証を続けること
の7項目を求めています。
町からは、今回の素案と要望書の内容には大きな乖離はないとの認識も示されました。
しかし、今回の委員会で議論したように、重要なのは「地域協議を行う」と書くだけではありません。
町全体としてどのような地域コミュニティの拠点をつくるのか、その上で個々の施設をどう位置づけるのか。
今後示される計画案に、議会からの要望と今回の質疑がどのように反映されるのか、引き続き調査していきます。
公共施設LED化、工事からリースへ
3件目は、公共施設LED化事業についてです。
町では2030年度の温室効果ガス削減目標に向け、公共施設の照明をLEDへ切り替える計画を進めています。
当初はLED機器を買い取る工事方式を予定していました。
しかし、指名競争入札を行ったところ、指名した6社すべてが辞退。
理由として、
- 予定価格では施工できない
- 業務体制を確保できない
ことが示されました。
そのため町は、工事方式から5年間のリース方式へ変更する方針を示しました。
LED導入後60か月間リース料を支払い、期間終了後は町が無償で設備を譲り受ける仕組みです。
約1億3千万円が、再積算すると約3億2千万円に
今回の調査で大きな論点になったのが事業費です。
当初、3年間のLED化に必要な総事業費は約1億3,008万円と見込まれていました。
ところが、入札不調後に有資格事業者による工事費を改めて見積もると、
約3億1,937万円
となりました。
当初の約2.45倍です。
なぜこれほど大きな差が生じるのか。
町からは、事業者によってLED機器の調達価格、人員確保、施工費などに大きな違いがあり、改めて事業者から見積りを取り、内容を精査した結果、この金額になったとの説明がありました。
しかし、当初予算も複数事業者から見積りを取って積算しています。
それにもかかわらず、実際の入札では6社すべてが辞退し、改めて積算すると2倍以上になる。
今回の事業だけの問題として終わらせず、予定価格の設定方法や見積りの取り方について検証する必要があると感じます。
追加資料を要求し、一般財源負担を比較
質疑では、工事方式からリース方式へ変更することで脱炭素事業債が利用できなくなり、地方交付税措置も受けられなくなることから、
「結局、町の実質的な負担はいくら変わるのか」
という点について追加資料を要求しました。
提出された資料では、次のように整理されています。
| 事業手法 | 総事業費 | 一般財源負担 |
|---|---|---|
| 当初予算 | 約1億3,008万円 | 約7,626万円 |
| 有資格者工事 | 約3億1,937万円 | 約1億8,716万円 |
| リース方式 | 約1億3,008万円 | 約1億3,008万円 |
当初の工事方式であれば、脱炭素事業債と地方交付税措置を活用できるため、一般財源負担は約7,626万円でした。
今回のリース方式では、それらを利用できないため約1億3,008万円すべてが一般財源負担となります。
つまり当初計画と比較すると、一般財源負担は5,382万円増加します。
一方、現在の見積りで有資格者工事を行った場合には一般財源負担が約1億8,716万円となるため、リース方式の方が約5,708万円負担を抑えられることになります。
この比較によって、現時点で町がリース方式を選択した財政的な理由については、一定程度確認することができました。
「一番安い」だけで契約を考えてよいのか
LED化の議論からは、もう一つ大きな課題が見えてきました。
それは、町の契約と地域経済との関係です。
もちろん公共事業である以上、限られた財源を効率的に使うことは重要です。
一方、単純に最も安い価格だけを追求することで、地域の事業者が参加できなくなれば、町内にお金が循環しにくくなる可能性もあります。
どこまでなら地域事業者を活用できるのか。
財政負担と地域経済への波及をどう両立するのか。
今回のLED化事業だけではなく、町の契約事務全体として考えていく必要があるテーマだと感じています。
今後も3つの視点から継続調査へ
最後に自由討議を行い、今後の調査について委員間で意見を出し合いました。
めむろ駅前プラザについては、管理方式変更後の利用促進や管理運営、中心市街地活性化との関係を見ていく。
地域集会施設については、今回示された素案で終わりとせず、町全体としての施設配置や地域コミュニティの将来像が計画にどう落とし込まれるのか、継続して調査していく。
LED化については、今回の事業だけを見るのではなく、当初積算と実勢価格に約2.45倍もの差が生じたことを踏まえ、予定価格や見積り、地域経済への影響なども含めた「契約事務のあり方」という視点から調査していく。
こうした方向性を委員会として確認しました。
建物をどうするか、その先にあるもの
今回の3つの調査事項には、一見するとそれぞれ違うテーマが並んでいます。
しかし、共通しているのは、
「公共施設を何のために維持し、限られた財源の中でどう将来へ残していくのか」
という問いです。
地域集会施設であれば、建物を残すことそのものが目的ではありません。
その施設が地域コミュニティにどのような役割を果たすのかを考える必要があります。
LED化も、単に照明を交換することが目的ではありません。
脱炭素という政策目的を達成しながら、財政負担、契約の競争性、地域経済などをどう両立させるのかが問われます。
そして駅前プラザも、施設を適切に管理するだけでなく、駅前という場所をこれからのまちづくりにどう生かすのかという視点が必要です。
個々の施設だけを見るのではなく、町全体としてどのような将来像を描くのか。
今回の委員会で出された課題を、今後の調査につなげていきたいと思います。



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