令和7年度決算審査では、芽室町地域開発事業特別会計について審査が行われました。
地域開発事業特別会計は、東工業団地に関する事業や、団地内の公園・環境整備施設などの維持管理を行うための会計です。
令和7年度の決算は、歳入総額3,932万6,491円、歳出総額2,698万7,476円、実質収支額は1,233万9,015円となりました。
公園施設の修繕と老朽化への対応
審査では、東工業団地内公園維持管理事業について質疑がありました。
令和7年度の修繕費について町からは、公園ベンチの塗装修繕と、公園内の噴水に設置されているタイムスイッチの故障に伴う修繕を行ったとの説明がありました。
また、東北北二公園では、経年劣化によって倒壊の危険性が生じていたパーゴラを撤去しており、その工事費として133万1,000円が支出されています。
こうした施設の老朽化をどのように把握しているのかとの質疑に対し、町からは、草刈りなどの委託事業が始まる前に職員が公園を巡回し、樹木や設備に不具合がないか確認していること、さらに委託事業者から報告を受けた場合にも随時対応しているとの答弁がありました。
「あるものをすべて維持する」からの転換も必要
今後重要になってくるのは、老朽化した施設を単純に修繕・更新し続けるのかという点です。
質疑では、限られた財源の中で、現在と同じ公園施設をそのまま維持していくのではなく、実際の利用状況などを踏まえて施設のあり方を検討していく必要性についても確認されました。
町からは、現在ある設備については修繕可能なものは維持していきたい一方、大きな更新費用が必要となるものについては、必要最小限という考え方で検討していきたいとの答弁がありました。
これは今後の公共施設管理全体にも共通する重要な考え方です。
施設が老朽化したから更新する、壊れたから直す、ということだけではなく、「現在どの程度利用されているのか」「今後もその機能が必要なのか」「維持管理にどれだけの費用が必要なのか」という視点から判断していかなければなりません。
もう一つの課題は「基金への依存」
今回の決算でもう一つ注目すべきなのが、地域開発事業特別会計の財源構造です。
令和7年度は、工業団地事業基金から2,542万4,000円を繰り入れています。
歳出総額が約2,699万円ですから、現在の会計運営が基金によって大きく支えられていることが分かります。
基金はこれまで積み立ててきた町の財産であり、必要な時に活用すること自体が問題なのではありません。
重要なのは、毎年度一定額を取り崩す構造が続いた場合に、「基金があと何年持つのか」「基金が減少した後に維持管理費をどの財源で負担するのか」という将来を見据えておくことです。
また、令和7年度は基金から2,542万4,000円を繰り入れた一方、実質収支として1,233万9,015円が残っています。
基金繰入額が決算結果から見て適切だったのか、実質収支を翌年度にどのように扱うのかについても確認していく必要があります。
工業団地を「つくる」時代から「維持する」時代へ
工業団地については、造成して企業を誘致し、土地を分譲していく段階と、その後長期間にわたって道路、公園、環境整備施設などを維持していく段階では、行政に求められる役割も財政構造も変わってきます。
現在は、既存施設の維持管理に継続的な費用が必要となる段階に入っています。
だからこそ、個々の施設について「修繕するか、更新するか」だけを見るのではなく、
どこまでの施設・機能を維持するのか。
そのために毎年いくら必要なのか。
基金でいつまで支えられるのか。
基金減少後の財源をどうするのか。
というところまで考えていかなければなりません。
今回の決算審査では、公園施設の老朽化への対応を入口として、今後の施設管理のあり方が確認されました。
人口減少や物価・人件費の上昇などによって行政コストの増加が見込まれる中、すべての施設をこれまでと同じように維持することが最適とは限りません。
利用実態や必要性、費用対効果を確認しながら、必要な機能を将来にわたって持続できる形にしていくこと。
工業団地についても、そうした長期的な視点で今後の財政と施設管理を考えていく必要があると考えています。



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