令和8年6月30日、帯広市で開催された十勝地方林活議連協議会・十勝林活連絡会議総会終了後、「ヒグマ等野生生物について」をテーマとした安全対策講習会に参加しました。講師は、林業・木材製造業労働災害防止協会北海道支部の安全衛生指導員・池田敏邦氏です。
近年、北海道ではヒグマの市街地への出没や人身事故が相次ぎ、芽室町でも決して他人事ではありません。今回の講習では、ヒグマだけでなくエゾシカやマダニによる被害まで幅広く学ぶことができました。
「遭遇したらどうするか」ではなく「遭遇しないこと」が基本
講師が最も強調していたのは、
「クマに会わないことが最大の安全対策」
という考え方でした。
そのためには、
- ヒグマの生態を知る
- 人の存在を知らせながら行動する
- 単独行動を避ける
- 出没情報を確認する
- ゴミや食べ物を放置しない
など、日頃からの行動が重要になります。
また、山菜採りや登山、狩猟だけではなく、森林整備や林業作業など、山に入るすべての人が対象になるという点も改めて認識しました。
クマは「恐ろしい動物」ではなく「学習する動物」
講習で印象的だったのは、
ヒグマは非常に学習能力が高い
という話でした。
一度、人から食べ物を得た経験がある個体や、人間を危険ではないと学習した個体は、人里へ近づくようになります。
つまり、
- ゴミの放置
- 餌付け
- 生ゴミの管理不足
といった人間側の行動が、結果として危険なヒグマを生み出してしまう可能性があるということです。
「駆除するか、しないか」という議論だけではなく、「人里へ寄せ付けない環境づくり」が重要であることを改めて感じました。
クマスプレーは万能ではない
近年、クマスプレーを携帯する人も増えています。
しかし講師は、
- 使用期限を過ぎると性能が落ちること
- 冬場は低温で噴射性能が低下すること
- 少しずつ噴霧しても効果はないこと
など、正しい使い方について詳しく説明されました。
「持っているから安心」ではなく、「正しく使えること」が大切だと感じました。
エゾシカ被害は森林だけの問題ではない
後半ではエゾシカについても学びました。
近年、北海道では生息域が拡大し、
- 苗木の食害
- 樹皮剥ぎ
- 農作物被害
などが深刻化しています。
森林を守るためには、防鹿ネットや防護チューブなど様々な対策が行われていますが、自然増加率も高く、継続した管理が必要との説明がありました。
見落とせない「マダニ」の危険
近年はマダニによる感染症にも注意が必要です。
講習では、
- SFTS(重症熱性血小板減少症候群)
- ダニ媒介脳炎
についても説明がありました。
山に入る際は、
- 長袖・長ズボンを着用する
- 忌避剤を使用する
- 帰宅後に全身を確認する
など、基本的な対策が重要です。
また、マダニは無理に引き抜かず、適切に処理することも大切だと学びました。
今後の議会活動に活かしたいこと
今回の講習を通じて強く感じたのは、
野生動物対策は「駆除」だけでは解決しない
ということです。
森林整備や農地管理、草刈り、放置果樹の管理、ごみ対策、住民への情報提供など、多くの対策が組み合わさって初めて事故を減らすことができます。
芽室町でもヒグマやエゾシカへの対応は重要な課題です。
議会としても、
- 出没情報の共有
- 地域の環境管理
- 林業・農業との連携
- 安全教育の充実
など、「人と野生動物が共存できる地域づくり」という視点で、今後も調査・提案を続けていきたいと思います。
ヒグマを恐れるだけではなく、正しく知ること。
それが、自分自身の命を守り、地域全体の安全につながる第一歩だと感じた研修でした。



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