令和7年度決算審査では、総務費について、単に「予算を適正に執行したか」を確認するだけではなく、その事業によって町民や地域にどのような変化が生まれたのか、そして人口減少や財政制約を踏まえて今後も同じ形で続けるべきなのかという視点を重視して質疑しました。

今回の審査では、他の委員からもさまざまな角度から質疑があり、公共施設、移住定住、町内会、シティプロモーション、まちなか再生などについて、今後の町政につながる議論になりました。

老朽化する公共施設「壊れたら直す」だけでいいのか

私がまず取り上げたのが、町有財産(土地・建物)管理事務です。

令和7年度は、複数の地域集会施設で設備の不具合などによる緊急的な修繕・改修が発生しました。

町からも、地域集会施設は老朽化が進んでおり、今後、修繕費は増加傾向にあるとの認識が示されました。

そこで私は、

不具合が生じるたびに修繕して使い続けるだけではなく、利用状況や周辺の代替施設、今後必要となる大規模改修・更新費用などを踏まえ、「その施設を町が保有し続ける必要があるのか」まで評価する必要があるのではないか。

と質しました。

町からは、施設ごとの役割を明確にする必要性に加え、公共施設の点検や予防保全を進め、将来的な維持管理費を抑えていく考えが示されました。

さらに最後の質疑では、個々の施設ではなく町全体の公共施設総量に視点を広げました。

人口減少と財政制約が進む中、現在ある施設を一つひとつ維持・更新していけば、将来世代の負担は積み上がっていきます。

町からは、単なるコスト削減を目的とした統廃合ではなく、人口減少、高齢化、町内会などの担い手不足も踏まえた「将来に向けた前向きな再編」を進めていく考えが示されました。

他の委員の質疑では、公共施設等総合管理計画に掲げる、

「20年間で公共施設の延床面積を10%削減」
「20年間で更新費用を25%圧縮」

という目標も改めて確認され、町からは「今ある施設をすべて建て替えることにはならない」との答弁もありました。

今後は、この方針が実際の施設再編にどう反映されるのかを見ていく必要があります。

移住支援だけでなく、「住める住宅」があるのか

定住促進事業については、住宅取得支援制度の対象地域を町内全域へ広げたことなどについて、複数の委員から質疑がありました。

令和7年度の新築住宅購入支援36件のうち18件は、町内のアパートや借家などから新築住宅へ移った世帯であること、また農村部で4件の利用があったことなどが明らかになりました。

一方、移住後1年、3年、5年といった長期的な定着状況については、町として数値的な追跡を行っていないことも確認されました。

私からは少し違う角度で、移住希望者に紹介できる住宅そのものが不足していることが、移住促進のボトルネックになっているのではないかという点を質しました。

支援制度が充実していても、「住みたい」と思った人が実際に住める住宅がなければ移住にはつながりません。

質疑では、町の認識とともに、住宅確保に向けた具体的な連携の取組についても確認することができました。

今後の移住政策では、「何件補助したか」だけではなく、

相談 → 住宅確保 → 移住 → 定着

までを一つの流れとして評価することが重要だと考えます。

町内会加入率48.7%――住民自治そのものを考え直す時期へ

町内会等活動支援事業では、他の委員から非常に重要な質疑がありました。

町内会加入率は令和6年度の51.1%から、令和7年度には48.7%となり、50%を下回りました。

令和7年度は300万円の補助により、子ども会育成、デジタル化、加入促進、高齢者支援、担い手対策など7つの取組が行われました。

しかし、加入促進の取組によって「何世帯が新たに加入したのか」については、町として把握していないことも明らかになりました。

町からは、準会員制度の導入や役員負担を減らす町内会運営を模索する動きなどを成果として捉えている一方、7つの取組すべてが同じように進んでいるわけではなく、今後、町内会連合会と協議しながら改善していく考えが示されました。

さらに議論は、「どうすれば町内会加入率を上げられるか」というところから一歩進みました。

町内会の解散や担い手不足が現実に生じる中、町も、従来の町内会や行政区域だけに限定されない新たな地域コミュニティ、住民自治のあり方を考える必要があるとの認識を示しました。

RMO(地域運営組織)についても、有効な手法の一つとして研究を進める考えが示されています。

公共サービスパートナー制度についても、町内会が担えなくなったとしても必要な公共サービスは町が提供しなければならない一方、行政だけで担い続けることにも限界があるとして、町内会以外の新たなコミュニティなども担い手として検討していく方向性が示されました。

これは今後の芽室町にとって、大きなテーマになると思います。

シティプロモーション6年間の成果をどう測るのか

私が今回、特に重視したのがシティプロモーション推進事業です。

事業開始から6年。

町自身も、町民のさまざまな動きが出始めている一方、個人の動きにとどまり、組織や地域全体への広がりには課題があると評価しています。

そこでまず、

令和7年度までの取組によって、町民や事業者の具体的な行動として何が生まれ、地域にどのような変化をもたらしたと評価しているのか。

と質問しました。

町からは、大きく3つの成果が示されました。

町民主体によるイベントの復活・新設、空き店舗活用や新規起業、そして一時的な社会増です。

もちろん、これらすべてがシティプロモーションだけによる成果ではありません。町も、さまざまな政策が関係しており、シティプロモーションはその一つの要因だと説明しました。

だからこそ、次に問題になるのが「何をもって、この事業の成果とするのか」です。

これまで成果指標として「芽室町が好き」「今後も住み続けたい」といった割合が使われています。

しかし、これらは住宅、教育、福祉、産業など、町政全体の影響を受けます。

そこで、シティプロモーションそのものの成果を測る指標として適切なのかを質しました。

町からは、より事業に関連する指標として、

「芽室町の魅力を誰かに勧めたい」
「芽室町をより良くする活動に参加したい」
「芽室町をより良くする活動をしている人に共感する」

といった意欲を把握しているとの説明がありました。

これは重要な答弁だったと思います。

シティプロモーションは、単に町を宣伝することではなく、最終的には町民や事業者の行動をどう変えていくのかが問われる事業だからです。

最後に、6年間の成果と課題を踏まえ、今後、行政が担う部分、町民や民間が担う部分をどう整理するのかを質問しました。

町からは、現在シティプロモーション計画を見直しており、庁内の連携だけでなく、町民、企業、団体なども含めて、それぞれの役割を改めて明確にしていく考えが示されました。

まちなか再生―相談28人から新規出店2件へ

まちなか再生推進事業についても、他の委員から成果を掘り下げる質疑がありました。

町はこれまでの成果として、

  • 空き店舗を活用した起業
  • 地域おこし協力隊による空き物件流通の取組
  • 「ゆないとべーす」による交流・チャレンジの場づくり

などを挙げています。

令和7年度のチャレンジ相談者は28人

質疑によって、そのうち新規出店につながったのは2件、14人については現在も相談・フォローアップを継続していることが確認されました。

実現に至らないケースでは、希望する人と空き物件とのマッチングがうまくいかないことも課題として挙げられました。

また、令和7年度から町が直営した「ゆないとべーす」は、153件、2,604人の利用がありました。

中高生の居場所、チャレンジショップ、町民活動など幅広い利用があり、大人と高校生の交流から、高校生自身がイベントを企画するような動きも生まれているとのことです。

ただし、ここでも大切なのは「2,604人利用したから成功」ということではありません。

町自身も最終的な目的として、まちなかのにぎわい、人の往来、空き店舗活用、新規起業、既存商店への経済効果などを挙げました。

一方、その評価についてはまだ「肌感覚」という面もあります。

今後は、相談件数や施設利用者数だけでなく、

空き店舗がどれだけ活用されたのか
新しい事業がどれだけ継続しているのか
人の流れがどう変わったのか
既存商店にどのような経済効果があったのか

といったところまで測っていく必要があります。

「実施した」から「何が変わった」へ

今回の総務費の審査を通じて、複数の事業に共通する課題も見えてきました。

研修なら「何人参加したか」。

移住なら「何件支援したか」。

町内会支援なら「何事業実施したか」。

まちなか再生なら「何人利用したか」。

こうした数字はもちろん必要です。

しかし、決算審査で本当に確認したいのは、その先です。

研修によって行政サービスはどう変わったのか。
移住した人はその後も住み続けているのか。
町内会の担い手不足は改善したのか。
シティプロモーションによって町民の行動は変わったのか。
まちなかに本当に新しい人の流れや経済活動が生まれたのか。

そして、成果が十分でなければ、翌年度も同じ事業をそのまま続けるのではなく、見直す必要があります。

人口減少と財政制約がこれまで以上に厳しくなる中、行政には「あれもこれも」ではなく、何を行政が担い、何を民間や地域に委ね、何をやめるのかという判断も求められます。

令和7年度の決算審査では、そうした「事業を実施したか」から「地域に何を残したか」へと議論を一歩進めることを意識しました。

今回得られた答弁を、次年度以降の予算や事業の見直しにどうつなげていくのか。

引き続き確認していきたいと思います。